高里椎奈『海紡ぐ螺旋 空の回廊』薬屋探偵妖綺談13

海紡ぐ螺旋 空の回廊 (講談社ノベルス)

海紡ぐ螺旋 空の回廊 (講談社ノベルス)

リベザル誘拐に、奇妙な加工が施された部屋の中で起きた座木の義父の怪死。深山木薬店の妖怪探偵たちに降りかかった2つの災いと、座木が耳にした青伊、智充、春という3人の少年がかかわる60年前の女子高生失踪事件。この3つの事件に接点はあるのか?探偵たちが謎に迫るうち、なんと深山木秋の隠された過去が判明。事態は思わぬ方向へと動き始める。
   ――セブンアンドワイより


トリニティ・ブラッド』先に読めばよかったぁっ!! あああ頭の中が妖怪色で、吸血鬼の入る隙間がなくなっちゃったよぅ。
――という誤算はありましたが、楽しかったデス。
しかし、シリーズ全体にちょっとずつ散りばめられていた(らしい)伏線をほとんど覚えていなかったというのは、私の記憶力がヤバイのか。
そして、章の最後に挿入されるワンシーン。分からないように書いているのは分かるのだが、分からないまま進んでいった挙句に記憶が薄れ、最後まで読んでもどのシーンに対応するのか分からないというのもやっぱり私の記憶力がヤバイのか。読了してから遡って確認してしまったよ……。
第一部完結との事です。ちょっと寂しげな終わり方……(涙)

実を言うと、現代モノの――ファンタジーやホラーじゃない話の――妖怪の在り方って、私の中では主に京極*1に設定されてるから、正直なところミステリとして読むとちょっとばかり違和感が。
大辞林によると、【妖怪】とは〔日常の経験や理解を超えた不思議な存在や現象。山姥・天狗・一つ目小僧・海坊主・河童・雪女など。ばけもの。〕となっているのだが。
怪我するし風邪引くしバスケするし、電車には乗るし料理もするという、全然不思議じゃないじゃん的な存在を妖と言われれば、そりゃあちょっとばかり違和感を抱いてもしょうがないよねっ!(笑)
このシリーズにとって【妖怪】とは〔特殊能力を持った人じゃない知的生物〕なのです。

それにしても、今月は結構本を読んでるわ。
先月は再読だらけで12冊だったけど、今月はここまでで13冊。この後トリ・ブラ控えてるし、20冊行くのは間違いなさそう。
記録付けてた中では月に32冊というのが最高記録だけど、たぶんそのときはライトノベルの長編シリーズを読んでたのだと思われる。
何をしてるんだか、と思わないこともない(苦笑)

*1:京極夏彦豆腐小僧双六道中』