野沢尚『深紅』

深紅 (講談社文庫)

深紅 (講談社文庫)

父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、奏子は彼女に会うが!?吉川英治文学新人賞受賞の衝撃作。
   ――セブンアンドワイより

うん。それなりに面白かった。
加害者の家族と被害者遺族――特に被害者遺族の心境が丁寧に書き込まれて、なかなかのリアリティ。
踏み越えてしまう瞬間というのは、確かにあるのだろうと思う。
人の心って不可思議だわ。