鉄鼠の檻・再読

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

山中異界。振り袖の娘。不可解な屍体。禅と鼠と強固な檻――。
シリーズの中では一番好きかも。なんといっても、雪山に極彩色の振り袖の娘なんて考えただけでぞっとする。バラバラ殺人とは別の意味で怖い。
印象に残る台詞を言っているのはやはり榎さん。
釈迦も弥勒も彼の下僕でしかない。彼とは誰か――
「僕だ」
探偵は神だそうだから当然の答えデスネ。素敵すぎます。京極は良く喋るぶん、一つ一つの言葉が印象に残らないのだろうと思う。
真冬の箱根で山中の宿に泊まってコレを読む、というのをいつかやってみたい。――というのを、もう何年も言っています(苦笑)