松浦寿輝『もののたはむれ』

もののたはむれ (文春文庫)

もののたはむれ (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
なにげない日常の延長線上に広がる、この世ならざる世界。そこへ迷い込んでしまった人々の途惑いと陶酔の物語は、夢とも現ともつかぬまに展開していく。詩人、評論家、大学教授としても各分野で多彩な活躍を続ける芥川賞作家の処女小説にして、「新しい幻想文学の誕生」と絶賛を浴びた彫心鏤骨の連作集。   ――Amazonより

ページを開くと真っ黒なのにまずビックリ。改行が少ない。句読点も少ない。
では読みにくかろうというとそんな事もなく、案外さらさら読めるのは日本語の扱いが上手だという事なのだろうか。
境界の曖昧な薄ぼんやりした世界は大好きなので気持ちよく読んだけれども、いくらか透明感のあるほうが好みではあるので、濁り水を覗き込むようなもどかしさで浸りこむことは出来ない感じ。