東野圭吾『容疑者Xの献身』

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

全然まったく覚えてなかったのに、最後のシーンは薄っすら記憶にあった。つまり……読んだこと、ある? あれ?

湯川助教授の、最後のスタンスがよく分からない。
これでは彼が報われない、自分が耐えられない、とか言っているけど――つまりは自己満足?
誰も報われてないし悔やんでもいないじゃないか。
友人としてあるなら黙っているべきじゃないかと思うし、じゃなかったら、おまえがやったことは彼女達を傷つけて苦しめる事になるんだってのを分からせる方がいいと思うけど。
そうでなければ、死者の尊厳とか社会正義とか、そっち方面で通すならまだ納得できる。それなら刑事さんに話すのもいいけど、友人として聞いてくれと言ったのに、自首してこなかったら捜査するというのに仕方がないってのは……変だろう。
その仕方がないってのは、友人関係の解消にかかるわけ? 結局自分の事のみ?
相手の事を考えているようでいてまったく考えておらず、そのうえそのことに気付いていないっぽいのがヤな感じだ。

でもまあ、読みやすくて面白いのは確かなんだが。基本キャラもえなワタクシとしては、せっかく長編なんだしもっとキャラの魅力を書き込んで欲しいというのが正直なところ。