西加奈子『きいろいゾウ』

きいろいゾウ

きいろいゾウ

まっとうに、正しく生きるとはどういうことか、分かるような気がする本。
誰かを愛したり、愛されたり――そういうことが、とても愛しく思える。
ちょっとだけ不思議で、ふわふわしていて、でもそれだけじゃない――この人の本は初だけど、文章の感じがとても好き。

ちょっと関係のある今朝の夢

赤、桃色、黄色、黄緑、緑、水色、青、紫――どれもほんのりパステル調の、いろいろな色の服を着た人達が集まって、何故かお葬式。
とても近くに見えるのに凄く遠くて、それぞれの服の様子とか顔とかはさっぱり分からないし、音もない。なのに私はそれがお葬式の様子だと知っている。カラフルだけど。
哀しくはなくて、ぽかりと明るくて静かで、霞んだように見えるのに安定している。
誰の元にも必ず訪れると約束されている事――そういう揺るがないものに支えられた、柔らかな風景。そんな夢。
続きそうな感じだったのに、前日だか前々日だかに見て忘れてた夢と同じものだと気付いて「この前の夢、これじゃん!」とか思ったら目が覚めてしまった。残念。
たぶん、ここ数日読んでいた上記小説によって喚起された印象。きいろいゾウとカラフルな鳥の羽――そういう話だったから。