梨木香歩『沼地のある森を抜けて』読了

沼地のある森を抜けて

沼地のある森を抜けて

始まりは「ぬかどこ」だった。先祖伝来のぬか床が、呻くのだ。変容し、増殖する命の連鎖。連綿と息づく想い。呪縛を解いて生き抜く力を探る書下ろし長篇。
   ――セブンアンドワイより

命はどこから来てどこへ行くのか……たぶんそういうおはなし。ちょっと前に読んだ『ぐるりのこと』に通じるものがある。ぬか床から来てぬか床に還るのでない事だけは確かだ(笑)
ちょっと難しいけれども、この人の文章の、空気感が好き。いつもどこか、少しだけ哀しい。