「夏と花火と私の死体」乙一
- 作者: 乙一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/05/19
- メディア: 文庫
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乙一さんには前から興味があったのですが、このたびようやくデビュー作を読んだのでした。ホラーって事らしいけど、むしろスリルとサスペンス。ドキドキ感がなかなか巧くて、でもなんというか、気持ちの悪い文章でした(褒め言葉)
なにしろ一人称が殺された「わたし」。死体の「わたし」の淡々とした喋り口がまた奇妙で、服を裏返しに着るような、着れない訳じゃないけどどうにも落ち着かないような、そんな気持ち悪さがずーっと付きまとっているのです。それが味なのでしょうが、駄目な人は駄目かもしれない。
解説で褒めちぎってた程には面白いとは思えなかったんだけど――あの終わり方はちょっと微妙と思うのだけど――この作品でデビュー当時、十七歳というのに愕然。いずれ他の作品も読んでみたいですねー。