姑獲鳥の夏・再読

姑獲鳥の夏 (講談社ノベルス)

姑獲鳥の夏 (講談社ノベルス)

再々々読くらいでしょうか。再々々々読くらいかもしれません。
やはり良いです。
蒸し暑い夏の始め。石造りの古い病院のひんやりとした空気。白い日差し。モノクロォムの女。
心と脳と意識。記憶と夢と幻。
人は誰しも、現実そのものを見てはいない。
この世には不思議なことなど何もないのだ――と。
最初に読んだときは、とんでもなく妙な心持ちになったものでした。
読み物としての面白さでいえば、この後の「魍魎の匣」とか「狂骨の夢」とか「鉄鼠の檻」とかの方が面白いようにも思うのだけど。