有川浩『レインツリーの国』

端的にいえば、難聴者の女性と健聴者の男性の恋愛モノ(端的過ぎる)。
私はもちろん健聴者の範囲に入るけど、いくらか難聴なんだわやっぱり。とか思った。音が聞こえないんじゃなくて、言葉が聞き取れない事がけっこうあるってだけだから、健康診断的な聴力検査じゃ異常は出ないけど。

>多対多のコミュニケーション、大人数の雑談で聞こえなかったら曖昧に笑ってるしかない。説明せずに分かってくれる健聴者は少ない。(要約)

え、すごい分かるけど。四人以上になるとちょっと駄目。逆にクラス会みたいなホントの大人数だと、小さいグループに自然に分かれるから割と平気なんだけど。
《そんなとき中途失調者や難聴者が一番恐れるのは「今どんな話してるか分かってる?」と訊かれること》となってたけど、私なんかだと困るのは聞き取れてないのに同意や意見を求められることかなー。二回も三回も聞き返せないでしょ。
なので、大人しくして周りの話を黙って聞いてるのが好き。大部分は聞き取れてるし、もちろん口挟んだりもするけどさ。

>最近のバラエティのしつこいくらいの字幕。必要な人もいるんだなぁ。(要約)

必要デス。
ほんと助かるんだよ、あれ。いまも昔もあんまりバラエティは見ないけど、昔見なかったのは何言ってるか分からないからってのが多分にあったね。
いまあんまりバラエティ見ないのは、テレビは基本録画して見るから。バラエティをいちいち録画する気にはなれん。
映画とかドラマとかを録画で見るのは、CM飛ばせるってのもあるけど、ちょっとした台詞が聞き取れなかったりするからなんだな。巻き戻せるでしょ、録画なら。
このまえ友人宅でDVDを観たとき、三回……四回だったかな。同じところを巻き戻させたよ(笑)
なので、劇場映画はもちろん字幕ラブ。吹き替えも邦画も日本語アニメも普通に観るけどね。台詞の一部を何回か聞き取り損ねたくらいじゃ、話に付いていけないって事にはならないし。

ずっとこうだからこんなもんだと思ってたけど、テレビ観てて巻き戻したくなる事って、普通はホントにないものなのかな?

障害にレベル(レベル?)があるように、健常者のカテゴリに入ってたってみんな一律ってわけじゃないよなぁと、少々ずれた感想を抱いてみた一冊。