上橋菜穂子『獣の奏者』上下

獣の奏者 I 闘蛇編 獣の奏者 II 王獣編
再読ー。やっぱ泣くよ。泣けるよ。
誰が悪いとかどこで間違えたとか、そういうものじゃなくて。
人の業、とか。思惑とか。
誰も悪くないとか皆が悪いとか悪いばかりじゃないとか。
なにひとつ、こうだ、と明言できない複雑で深遠な物語。
 
以下、ネタばれるかもしれません注意!
 
 
 
分かり合えなくても、想い合える――初読時の印象は変わらず。
しかしこれ、ラストシーンで焼き付いた印象だったようです。
情勢はもっと複雑。
知りたい、という熱が悪いとは言えない。
守りたい、という想いが悪いとも思えない。
それでもどうしても争う方向に傾いていくのが、人の業ってものなのか。
 
でも考えてみたらこれ、内戦状態にまではなってないんだよね。
周辺諸国との戦争も描かれてないんだよね。
八月に続編が出るらしく、ますますハードになるらしいので楽しみなような怖いような。
 
実はアニメをより深く楽しむ為の再読でした。
イアルがかっこいいよ!
アニメで誰だこれとか言って存在自体を忘れてたけどかっこいいじゃないか! わー。
あと、ダミヤさまが意外と悪い奴ではなかったなー。なんか企んでる企んでる、とか思いつつ見てたけど。企んでたけど。
再読してみて改めて、アニメ頑張ってるなーとか思った。
印象深いのは、お祖父さんの人柄がだいぶ違う方向に深くなってたコト。村の生活を丹念に描いたのは良かったよね。学舎での生活にも時間をかけるんじゃないかと思われる。楽しみv
闘蛇と王獣のビジュアルイメージが微妙に違うと思ってたんだけど、再読してみたら王獣に関しては描写の通りだった。どこで間違えたんだろう?
闘蛇はやっぱちょっと違う。もっと蛇っぽいんだ。とくに泳いでる時のシルエットが変。
原作より対象年齢が幅広い(たぶん)せいか、保存版だ! とは思えないんだけど。居なくていいよ! と思ってたオリキャラ二人組もだいぶ愛着湧いてきたし。今後が楽しみ。
……まさか学舎まで付いていくのかしら?