上遠野浩平 “ソウルドロップ”シリーズ

ソウルドロップの幽体研究 (ノン・ノベル)

ソウルドロップの幽体研究 (ノン・ノベル)

メモリアノイズの流転現象 (ノン・ノベル)

メモリアノイズの流転現象 (ノン・ノベル)

出版社/著者からの内容紹介
<生命と同じだけの価値ある物を盗む!>
怪盗か、殺し屋か……
“ペイパーカット”の目的は!?
天才女性歌手の追悼ライブで何かが起きる?
<生命と同等の価値のある物を盗む>奇妙な予告状が届いた高級ホテルの一室で、強大な権力を持つ老人の影武者が殺害された。そして、厳重な警備の中、なぜかキャンディがひとつ失くなっていた。サーカム保険の調査員(オプ)伊佐俊一(いさしゅんいち)と千条雅人(せんじょうまさと)は、“ペイパーカット”の仕業(しわざ)と認定。傍目(はため)にはどうでもいいとしか思えない物を盗み、同時にその人の命を奪う謎の怪盗を追う二人は、同じ予告状が届いた巨大ホールへ向かう。五日後に開かれる天才女性歌手の追悼ライブで怪盗が何を起こすのか!?
<著者のことば>
あなたの“生命と同じくらい大切なもの”はなんだろうか? 自分で重要だと思うものは実は大したことなくて、普段は無視しているものが真に貴重だったり、生命は地球より重いというけれど、簡単に失われてしまったりもして人の意志は紙切れ(ペイパーカット)一枚の重さもないときもあるし、人の心の価値というものは、実際どのくらいのものなのだろうか……という訳で、これはそのことを疑問に思う何者かについての物語である。その研究者と、求めるものを未(いま)だ知らぬ男と、心をなくした人形と、未来を想えぬ者と、夢を失った者たちと生命と同等の価値ある物(キャビネツセンス)を巡る、これは喪(うしな)われた歌についての物語そして誰にも奪えぬはずの宝を盗む“怪盗”の……。
   ――『ソウルドロップの幽体研究Amazonより

ミステリだとしたら絶対許されないであろう謎の特殊人物(?)が、犯人として好き勝手に徘徊している。
しかしそれは、本筋ではあるのかもしれないが主筋ではなく、主筋として広げた風呂敷はきっちりたたんでみせている。
文章のテンポもキャラも好みだ。
生命だの魂だのいうわりに、重くなりすぎないのもいい。
つまりとっても楽しかった♪
表紙に誘われたという理由で読んだのだけど、ラノベ好きとか言っておいて今更それかい! という作者だった。ブギーポップシリーズなんて、読んだことのない私も知ってるくらいの有名作品じゃないか? 上遠野浩平って名前も、上遠野は“かどの”って読む事も初めて知った。
よし、ブギーポップシリーズも読んでみよう。