a thousand winds

千の風になって

千の風になって

秋川雅史の『千の風になって』が紅白効果でオリコン上位に――というニュースを見たのです。歌を聞いてはいないのだけど。
これってあれですね。英語の原詩は作者不明の。前に新聞に載っていて、印象的だったのでメモしてあります。歌詞も読んだけど、詩としてはこちら↓の方が好き。

あなたにそっと教えます
こう考えていてください
わたしは今でもそばにいる
わたしは眠っておりません
 
わたしは吹きゆく千の風
ダイヤときらめく雪の映え
みのりの穂波にふる陽ざし
やさしくぬらす秋の雨
 
あなたが目覚める朝(あした)には
わたしはいそいで舞い上がる
輪をかく小鳥のうずとなり
夜には淡い星となる
 
わたしが行ってしまったと
考えるのはお止めなさい
あらたな夜明けがくるたびに
わたしはあなたと共にいる
 
 訳/住山一貞
 04.09.10 朝日新聞

原詩も探してみました。

a thousand winds
 
Do not stand at my grave and weep;
I am not there, I do not sleep.
 
I am a thousand winds that blow.
I am the diamond glints on snow.
I am the sunlight on ripened grain.
I am the gentle autumn's rain.
 
When you awaken in the morning's hush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet birds in circled flight.
I am the soft stars that shine at night.
 
Do not stand at my grave and cry;
I am not there, I did not die.
 
 原詩/作者不明

追記

リンクを辿ってぐるぐるしてたら、別の訳も見つけました。直訳っぽいけど、これもいい。
南風 椎『あとに残された人へ 1000の風 (ポケット・オラクル・シリーズ)』三五館
一度引用したのだけど、やっぱりまずいかなーって気がしてきたので削除しました。
住山さんのほうは……出版されてるわけでもないようだし、知名度低いみたいだけど好きなので、紹介したい気持ちが強い。どうなんだろう。

とりあえず、話題になってる新井満さんの訳は、転載するなら写真詩集を読めって事になってるのでトップページへのリンクだけ。この右端に関連ページへのリンクがあります。→ http://www.twin.ne.jp/~m_nacht/
これはねぇ……歌詞だからなんだろうけど、繰り返しが変に多くて好きじゃない。歌として聞いてみろって事かな。
いくらか意訳になってるけど、やっぱり住山一貞さんの訳が一番好き。
原詩を良く見てみると、韻を踏んでるんだよね。weep、sleep。blow、snow。grain、rain。hush、rush。flight、night。cry、die。
これっくらい意訳しちゃった方が、雰囲気は近いんじゃないかと思う。
調べてみると、いろんな人がいろんな訳をしてて面白いです。