吸血鬼ハンターDシリーズ、ぐるっと回って最初に返る

既刊分読み終わったんだから終わりだと思っていたのに、シリーズ一作目に戻ってしまったよ。ラノベの魔力だな。漫画でもよくやるミスだ。こうなると、一通り読まないと終わらない。

吸血鬼(バンパイア)ハンターD (ソノラマ文庫 (225))
Dが…………若い(呆然)
うーわー、誰だこれ。

風立ちて"D" (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンター (274))
この作品でDのキャラが固まったと、作者本人が後書きで語っている。確かにだいぶDらしくなってる。でも若い。外見年齢二十歳前って、初読時は気にもしなかったけど――私が若かったからか――今は違和感ありまくり。
早く大人になる事を要求される時代には、十四、五にもなればもう一人前の大人なんだろうけども。現代に生きる身としては……。
外見年齢を表記しなくなったのは、正解なのかもしれない。
読んだ時の自分の年齢が、読み方にかなりの影響を与える事を、つくづく実感いたしました。

D-妖殺行―吸血鬼ハンター〈3〉 (ソノラマ文庫 310)
前作が「滅び行くものへの哀惜」であるなら、これは「夜と闇の艶美」であろうか。(違うから)
基本ラインが『蒼白き堕天使』に似ている気がする。逆か。やっぱり最後の数ページにやられる。いい話だ。
Dの外見年齢をはっきり表記しなくなったのは、この辺かららしい。未読分を読んでる間は26,7歳くらいのイメージだったけど、既読分は22,3歳だ。初読時にどれくらいのイメージだったのかは覚えていない。
「若者」とか「青年」とかは、もともとわりと広い範囲を指す言葉だけれども、面白いものだと思う。
言葉は物事を規定するけど、決して画一的ではない。「青」と言われて思い浮かべる青が、同じ青とは限らないのだ。
言葉って不思議で、奥が深い。