内田響子『聖者の異端書』

聖者の異端書 (C・NOVELSファンタジア)

―弱きもの。汝の名は女―わたしの目の前で、夫となるはずだった人が消えた。しかも、結婚式の最中に。「死んだと思え」と言われても、納得などできない。彼を取り戻すため、わたしは幼馴染の見習い坊主を連れて城を飛び出した―。封印された手稿が語る「名も無き姫」の冒険譚!第一回C・NOVELS大賞特別賞受賞作。 　　　Amazonより

面白かったです！　『光降る精霊の森』が大賞で、こちらは特別賞とのことだけど、こっちの方が断然好み。
なんといっても、主人公の“わたし”の性格がいい。気持ちいい。「凄すぎて変に使えない」魔法使いとか、お祭り好きの楽天領主とか、陽気な砂漠の民とか、いろいろ人物も魅力的。もっとも、主要人物以外は出番が少ないのだけど。もっと長くしちゃっても面白かっただろうに。でもデビュー作だし。これでデビュー作か。すごいや。
しかし、どうもどこかで読んだことのあるような……と考えてみて、思いついた。『西の善き魔女』にちょっと似てるんだ。うろ覚えだから断定できないけど、たぶん。
こんど『西の善き魔女』も再読してみよう。
それはともかく、カバー折り返しのコメントと後書きが、妙に露悪的というか偽悪的というか。特に作家志望者の反感を買いそうだ。大丈夫だろうか（←余計なお世話）