J.R.R.トールキン 新版『指輪物語』「追補編」

指輪物語 (10)  新版 追補編

指輪物語 (10) 新版 追補編

流し読み。というか、三分の一は固有名詞便覧だったので、研究者じゃないワタクシには用なし(←ヒドイ)
各種族の歴史だとか年表だとか家系図だとか、各言語の違いだとか成り立ちだとか、興味深いといえば興味深いけれども。
そもそも作者は、言語学的興味からこの話を書き始めたのだそう。中つ国の共通語で書かれた本を、英語に翻訳したという体裁をとっている本を、さらに日本語に翻訳したものを読んだわけで、各言語の差というものをちゃんと感じ取れたかどうかは疑わしい。
《大蛇》を《おろち》と読んだり、《大和》を《やまと》と読んだり、アイヌの言葉だったりするような感覚かなぁとは思うのだけど。
表層に出て来たオハナシ以外の世界の、広さと深さを垣間見るような一冊でした。