ナンシー・スプリンガー「アイルの書」読了

『白い鹿』『銀の陽』『闇の月』『黒い獣』『金の鳥』全五巻
ナンシー・スプリンガー/著 井辻朱美/訳 、早川書房

定型に則った、正統派のハイ・ファンタジー
絶対読んだことないはずなのに、なんでか読んだことのあるような気がするのは、トールキンの『指環物語』にちょっと似ていたり、同じケルト神話をモチーフにしたメリングの『歌う石』を読んだことがあったりするからだろう。
結構昔の本だからか、漢字や語句の選び方や文体が古い。もしくは、硬い。それからどうにも直訳っぽくて、主語述語の位置関係やなんかが、微妙に読みにくかったりはする。
正統派ハイ・ファンタジーに共通の、独特な雰囲気はとても好きなのだけど……「かれ」というのがどの彼なのか分からなかったり、漢字が読めなかったり、意味がつかめなかったりして、気持ちよく流し読めないのが難点。面白かったけどね。