「ハリー・ポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング 再読

ハリー・ポッターと秘密の部屋

ハリー・ポッターと秘密の部屋

ハリーたちに好き勝手やらせすぎと言うか、詰めが甘いと言うか後手後手と言うか、いったいダンブルドアはなにをやっているのだと思わなくもない。
「賢者の石」でも「秘密の部屋」でも、ヴォルデモート卿の企みを阻止したのはハリーで――まあ、そうでないと話にならないけど――偉大な魔法使いであるダンブルドアは、結局何もしていない。
何が起きているのか、何が起きるか、分かっていながら見守るだけで何もせずにいる(ように見える)ダンブルドアだけれども、万能ではない、ということなのだろうと思いついたのでした。
たぶん、分かっていないのです。
人より多くの事に気づき、多くを察してはいるだろうけど、分かっていることは決して多くない。ハリーたちが信じているほどには。
ヴォルデモートに対抗できる唯一の魔法使いと信じられているようだけれど、たしかに対抗は出来るのだろうけど、勝てるかどうかは分からない――それを誰よりもよく分かっているのがダンブルドア本人で、だからこそヴォルデモートと直接対決するわけにはいかないのですね。
希望は何にも勝る力であり、絶望は何より強力な闇の魔法である。
なんて言葉を作ってみたりして(笑)
ダンブルドアは希望で、頼みの綱で、そう在れるからこそ偉大な魔法使いなのですよ。なんて事を考えてみたりしたのでした。