感謝。

 人はね、景麒。真実、相手に感謝し、心から尊敬の念を感じたときには、しぜんに頭が下がるものだ。    ――小野不由美『風の万里 黎明の空』下巻より抜粋

しぜんに頭が下がる――心から頭を下げるより他にない、そういう事はある。
昨日、出先で自転車がパンクした。知ってる自転車屋さんはちょっと遠くで、しかも日曜定休。車を借りに行く途中でもあったので、積んで帰っちゃえと思ったのだが。
考えが甘かった。
ウチの車は軽です。乗り回してると分からないけど、自転車って結構大きい。後部座席を倒してフラットにすれば何とか載ると思ったのだけど、確かに容量は充分なのだけど、形が複雑なので難しい。
無理かなー無理かなーとか呟きつつガタガタやっていたら、通りかかった方がお二方、手伝ってくださいました。
ハンドルこっち向きにしたら、とか、前から引っ張って、とか、しばらくアレコレガタガタやって、なんとか収めてくださったのです。
もう本当に、頭を下げるより他にない。
ドアを押さえておいてあげるとか、その程度なら簡単に出来るけど。「手伝うよ」って声をかけるのは、難しい。
ちょっと感動したのは、自分が助かったからだけじゃなく、こんな風に声をかけてあげられるという、その事自体になのだと思う。
たぶん互いに無関係のおじさまとおねえさま、本当にありがとうございました。
 
 
 
なぜパンクしたのかというと、塀に激突したから(笑)
狭い歩道で、前から来た歩行者を避けようとしたのです。公園の脇で、塀というか石垣ですね。大きめの石がゴツゴツとデコボコしてて、しかも垂直に立ってるわけじゃない――とか言い訳してみても、間抜けなことに変わりはない。幸い怪我はなかったけれども。